経営者は毎日のように「どうすれば会社を成長させられるのか」「売上を伸ばすには何をすべきか」と考えていると思います。そんな時に、役に立つのが低コストで利用できる生成AIです。生成AIを利用すれば、自分自身の考えを整理することができます。
しかし、生成AIにどのようなプロンプトを入力すれば的確な回答が得られるか、そのために役立つのが、「戦略をクリアにするためのプロンプト(質問)」です。本記事では、経営者がよく直面する課題ごとに、考えを整理し、具体的な行動につなげるためのプロンプトを紹介します。
以下のツールも併せて利用することで生産性が向上しますのでぜひ参考にしてください。
プロンプトを最大限活かすための事前準備
プロンプトを最大限活かすためには、以下の内容を事前に準備し、生成AIに入力しておくことが重要です。
- 役割を与える
- 「あなたは○○に特化した中小企業診断士です。」と入力すると、○○の業界に特化していて、かつ中小企業経営の専門家として回答してもらえる。
- 具体的に記述する
- 「売上を伸ばすにはどうすればいいか?」ではなく、「ターゲット顧客ごとの売上推移を分析し、最も成長可能な市場を特定するにはどうすればいいか?」のように具体的な内容にする。
- 前提条件を明確にする
- 経営理念や強み・弱み、製造フローなど自社情報を入力しておくことで、それを前提した回答が得られる。ただし、情報が社外に流出することになるので、機密情報は入力しないように注意しましょう。
経営者がよく直面する課題と、それを解決するプロンプト
- 「売上が伸び悩んでいる」
この場合は、なぜ自社商品が伸びないのかと原因を追究する必要があります。そのため、自社の強み・弱みを改めて分析します。
プロンプト例:
- 主要な商品・サービスの売上構成はどうなっているか?
- 顧客が自社の商品を選ぶ理由は何か?
- 競合他社と比較して、どこが強みでどこが弱みか?
これらを明確にすることで競争力を活かした施策を立てやすくなったり、売れ筋商品や利益率の高い商品に注力するなど、新たな売上改善の糸口を見つけることができます。
- 「コストが増加し、利益が減っている」
定期的にコストを見直し、不要な経費の削減や、より効率的な生産・業務フローの導入を検討することで、利益率を改善できます。
プロンプト:
- 主要なコスト項目の内訳はどうなっているか?
- 無駄なコストが発生している部分はどこか?
- 価格を上げずに利益率を向上させる方法はあるか?
これらのプロンプトでは、自社がすでに実施している改善策を事前情報として入力しておくことで、それ以外の、自社では思いつかなかったアイデアをもらえる可能性があります。
- 「したい事業や方向性は決まっているが、成功確率がどの程度かを知りたい」
新しい事業を開始する前に、成功の可能性を高めるための情報収集と戦略設計が重要になるので、生成AIを使って行いましょう。
プロンプト:
- その事業の市場規模や成長性はどのくらいか?
- 競合はどのような企業がいて、成功の要因は何か?
- 自社のリソースや強みを活かせるポイントはどこか?
生成AIからの回答と質問者の事業構想がある程度近ければ成功確率は高いと言え、事業を行ってみる価値はあると思われます。しかし、それでも不安が払しょくできないようでしたら、中小企業診断士などの経営コンサルタントに相談されることをおすすめします。
まとめ:
これらのプロンプトを生成AIに質問することで、自社の課題や強み、成長戦略が明確になります。また、自社の社員や経営コンサルタントなどこれらのプロンプトや回答内容を共有し、ディスカッションすることでさらに具体性のある経営戦略を立てることができます。
まずはこれらのプロンプトを活用し、戦略を自分の言葉で整理して、新たな気づきや次の一手が見つけましょう。
経営コンサルタント
平田 紘基